会長挨拶
第32回日本脳神経モニタリング学会 会長
荒木 尚
国際医療福祉大学医学部 脳神経外科
国際医療福祉大学熱海病院 脳神経外科 兼 救急部
2026年9月26日(土)、第32回日本脳神経モニタリング学会を、東京都文京区、日本医科大学大学院棟で開催いたします。脳神経モニタリングの基礎に触れ、実例に学び、多職種で交流することの素晴らしさを体感できるような機会となるよう、努めてまいります。
脳神経モニタリングは、救急・集中治療領域のみならず、術中・周術期管理においても、避けて通ることのできない必須のツールでありながら、難しそうな理論、煩雑そうに見えるセッテイング、多重のデータの解釈、というように、確かに習熟には時間を要するかもしれません。個人的には挫折の記憶ともに「苦手」なイメージを拭い去ることのできない領域でもあります。一方、エキスパートと言われる脳神経外科医は常に、適切な脳神経モニタリングを駆使し、良好な転帰を収めていく姿を見て、手術というアートと科学的ロジックの融合をしばしば実感し羨ましくも思ってきました。客観的な指標をスタッフ間で共有し、安全で質の高い治療を可能とします。いつかもう一度きちんと学びたい。日々の業務に追われてなかなか取れなかったその学びを、全ての職種に優しく、また効率よく提供できることを心から願っています。
脳神経モニタリングは、中枢神経・末梢神経の疾患における神経機能の評価、治療の適応、治療の選択と終了の決定、病状の追跡、予後の予測、そして長期の経過観察にいたるまであらゆる用途があります。また、周産期から新生児期、乳幼児、小児と成長を遂げ、成人やがて高齢者と人生のステージに沿った所見の変化があります。本学会では特に「小児の脳神経モニタリング」にスポットを当て、子どもの神経機能の発達と治療予後について考えるセッションを設けました。
歴史は四半世紀ごとに改定されていく、という言葉があります。AIテクノロジーさらに進化する2026年、既成概念がパラダイムシフトを迎える中で、連綿と続けられてきた先人の努力の歴史を振り返りながら、最新技術を積極的に応用することも大切です。
黒船来航に揺れた幕末、当時国禁を冒してでも最先端の知見を学びたいと述べた若者がいました。その二人、吉田松陰と金子重助の行動は叶えられることはありませんでしたが、彼らの志は遺り、後世の発展に大きく関わっていきました。彼らの眼差しに、子どもたちの未来を拓く私たちの夢も重ねて頂けるような、学びの機会を提供いたしたいと思います。
末筆ではございますが、皆様の益々のご繫栄をお祈り申し上げます。一人でも多くのご参加をお待ちしています。
本学会の開催にあたり、日本医科大学大学院医学研究科 救急医学分野 教授 横堀將司 先生の
ご高配により大学院棟の利用をご認可いただきました。
学校法人日本医科大学
日本医科大学付属病院 高度救命救急センター
関係各位のご厚意に心より御礼申し上げます。
